ふるさとの自然を、まもり育てる。

インフォメーション

コウガイセキショウモという植物について

2024/05/09

今回は2024年3月20日(祝・水)に駆除活動を行ったコウガイセキショウモという外来水草についての説明をします。

1.コウガイセキショウモとは
コウガイセキショウモ(トチカガミ科)
Vallisneria × pseudorosulata S. Fujii et M. Maki

まず、コウガイセキショウモは東アジア原産のコウガイモ(Vallisneria denseserrulata (Makino) Makino)と
ヨーロッパ原産のセイヨウセキショウモ(Vallisneria spiralis L.)の雑種です。
2016年に新分類群として記載された、新しい植物でもあります。
日本では雌株のみが見られます。

2.どんな外来種なの?
コウガイセキショウモは生態系被害防止外来種リストの「重点対策外来種」に指定されています。
生態系被害防止外来種リスト(我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト)とは、
環境省が2015年3月に策定した外来種リストであり、429種が指定されています。
特定外来生物に指定されたもの以外は法的な規制はないが
「入れない、捨てない、広げない」の遵守等、取扱には注意です。

重点対策外来種とは?
生態系被害防止外来種リストのランクとしては上から2番目に危険性が高い生物を指します。
国内に定着が確認され、生態系等への被害を及ぼす(懸念も含め)ため、防除や、外来種被害防止の為の普及啓発等が必要な総合対策外来種の内、甚大な被害が予測される為、対策の必要性が高いもの。

参考:生態系被害防止外来種リスト(https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/list.pdf)

3.なぜ佐賀県のクリークで大繁茂しているの?


①冬でも葉を出して生育するため。
上図は2024/3/20の駆除活動で撮影したコウガイセキショウモです。
日本の水草の多くは冬場、地上部を枯らして越冬する物が多いですが、
コウガイセキショウモは冬場も光合成が可能です。
因みに雑種の片親であり、日本にも生育するコウガイモは、冬場は葉を出しません。
セイヨウセキショウモの越冬については不明ですが、温帯の植物であるため冬場は枯死する可能性が高いと思います。


②走出枝(ランナー)で四方に伸びる。
上図をご覧ください。駆除日に丁寧に引き抜いたコウガイセキショウモです。
横に伸びた茎で株が連なっているのが分かりますか?

上記の方法で株を四方に増やしていきます。
コウガイセキショウモは冬場にこの増え方が出来る為、他の水草が春の初めに出てくる前に地上部を覆いつくしてしますのです。

③茎が切れて流された場所で根を出す。

上記の図は、2023年に行った駆除活動の様子です。
橋の付近に青いネットが張られています。
これは除去を行った後の植物断片からも再生してしまうからです。

4.コウガイセキショウモ駆除のポイント
①根っこから植物体全体を引き抜く
②抜き取った株を流さない様にする。

イベントは次年度も実施する予定ですので、気になる方は是非ご参加ください!

 インフォメーション一覧

アクセス